top of page
  • 執筆者の写真aroma-trove

SCC(スピニング・コーン・カラム)を使って香気成分を回収

更新日:2019年5月14日

桜は散ってしまったものの、新緑が美しいGW直前ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。


先日、弊社パートナー企業が製造に使用している香気成分回収装置、SCCの製造工程を見学に行って参りました。


SCCとはSpinning Cone Column (スピニング・コーン・カラム)の略語で、伝統的な水蒸気蒸留とは少し手法の異なった香気成分回収装置です。


SCCの特徴は、連続式蒸留であるため品質を安定的に高速、高効率で香気成分を回収できること、また、伝統的な水蒸気蒸留のように、原料を長時間高熱にさらす必要がないため、熱に弱い揮発成分も回収することが可能であり、植物本来の洗練された香りをそのまま回収することができることです。


それでは早速見てみましょう。


その日はレモン、緑茶、イチゴの香気成分を回収しました。


まずはレモン。

柑橘果物に関しては、通常であれば破棄されてしまう果皮の部分を使います。

まず、果汁を絞った後の(果汁はジュース等の飲料/食品原料となります)果皮を破砕装置に入れ、破砕します。



次に、精製水と混ぜ、ドロドロのスラリー状態にし、蒸留装置の中で滞りなく流れる状態にします。




その後、ドロドロになった原料(スラリー)がSCCへ送り込まれ、約1分間、スピニングコーン(回転コーン)を通過しながら、コーン下から注入される水蒸気によって香気成分が回収され、上がった蒸気はコンデンサー(冷却装置)によって冷やされ、透明な液体となって装置から出てくる、というわけです。



ご参考までにいちごと緑茶の画像もお楽しみください。





原料により、精油と芳香蒸留水の両方が回収できるものもあれば、蒸留水のみ回収できるものがあります。例えば緑茶やイチゴの場合は、ほとんどが水相(芳香蒸留水)、柑橘の場合は油(精油、エッセンシャルオイル)と蒸留水が回収できます。


SCCの面白いところは、条件設定により、回収香を濃くしたり薄くしたりと要望に合わせてカスタマイズできるところでもあります。


何とも洗練された香りのついたお水(芳香蒸留水)や精油の出来上がりです。


SCCについて詳細を知りたい方はこちらのサイトからどうぞ。




bottom of page