今日は大雨の一日。
まるでもう梅雨が始まってしまったかのような印象です。
さて、先月フランス出張でパリと南仏に行って参りました。
南仏では、取引先とのアポ、それから、香水の街、Grasse (グラース)にも足を延ばして来ました。
グラースはニースから車で約30分ほどの距離にある街。
グラースで培われた香水作りの技術は、昨年、 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されています。
グラースで香水が街の主要産業になったのは18世紀の終わり。それまでは革なめしが主要産業でした。グラースで生産される革製品は高品質であり、とても好評でした。特に 革手袋が裕福な上流階級の婦人達に人気だったようです。しかし、その革の臭いがどうにかならないか、との声が多く上がり、不快臭をマスキングする香水付きの革手袋が開発され、爆発的に売れ、それがグラースでの香水産業のはじまりです。
グラースでは地中海気候が香水原料となる花々の栽培に適していることから、ラベンダーやジャスミン、ローズの生産が盛んとなり、その後街の主要産業として発展。現在でも香水に関わる企業が街に60社ほどあるとか。
さて、そんな香水の街グラースですが、とてもカラフルで官能的な街でもあります。
今回は国際香水博物館とその庭園、そしてフラゴナールの香水工場の見学に行ってきました。
今日はフラゴナール香水工場の見学についてのレポートです。
はじめに、ガイドさんによるグラースの香水産業について、世界各国から調達している原料について、また、ファミリーカンパニーであるフラゴナール(Fragonard)についての説明がありました。
老舗香水メーカーであるフラゴナールは1900年代初頭に設立されたようで、現在は4代目だとか。
↓は展示されているクラシックな水蒸気蒸留装置。
その後、瓶詰の部屋に移動しました。
様々な種類の調合された香料が並んでいます。
フラゴナールでは、遮光性があり、比較的低価格で提供できるアルミ瓶を使っているとのことでした。
調合香料や原料を貯蔵、濾過するお部屋も見学しました。
最後はブティックです。
ガイドさんのお話によると、エリート調香師の養成学校は世界に4校。うち2校はグラースにあるそうです。
また、世界にはおよそ2000人ほどのエリート調香師が活躍しているそうですが、中でも、”ネ”(日本語では鼻という意味)と呼ばれる超エリート調香師はたったの100人ほどとのことでした。
調香師になるには、2年間の理論の勉強と、後、約7年ほどのトレーニング期間があるとのこと。3000以上もの香りを嗅ぎ分ける訓練をし、その後名香を模倣して調香。それができるようになって初めてオリジナルの香りを調香するそうです。長い道のりですね!
大変勉強になる素敵な見学ツアーでした!
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